北東アジアの軍事によらない安全保障体制の構築に向けて-朝鮮半島と米軍基地-

2018年8月18日 02時42分 | カテゴリー: 活動報告

 8月17日、ピースデポ共同代表の湯浅一郎さんを講師にお迎えして、「北東アジアの軍事によらない安全保障体制の構築に向けて」の連続講座の第3回が開催されました。この日は「朝鮮半島と米軍基地(韓国、日本)」と題して、北東アジアの軍事環境の変化と米軍配備の妥当性? 極東条項との関係について、のお話でした。

第2回の講座でもお話がありましたが、今年4/27の板門店宣言、そして6/12の米朝の共同声明を基礎に朝鮮半島の平和と非核化の動きが始まり、朝鮮半島、ひいては北東アジア非核兵器地帯を追及する環境ができつつあります。朝鮮戦争を終わらせることで、世界で唯一残って来た冷戦構造をなくすプロセスが始まっていると言います。休戦協定時6.3万人いた在韓米軍は現在2.8万人、朝鮮戦争の終結を迎えれば、在韓米軍が削減に向かうことは必至です。

 一方、在日米軍は5.5~6万人、在日米軍基地はほとんど削減されていません。日本は米海軍の戦闘艦が海外配備される唯一の国です。横須賀には2基の原子炉を搭載した艦載機75機という原子力空母が配備されています。これは中規模国の軍事空港を上回るというのですから驚きでした。空母は、これまでにアフガン戦争、イラク戦争に出港し参加しています。今問題の普天間の辺野古移設は、岩国基地が滑走路沖合移設埋め立てで大型岸壁付きの軍事空港になったことを参考に、米本国にもない大型港湾を備えた軍事空港が日本の予算でできることから辺野古にこだわります。

 しかし、辺野古の埋め立ては生物多様性基本法、条約、国家戦力に反する行為です。辺野古の海はジュゴンやウミガメ、サンゴなどが生息し生物多様性からみた重要海域です。また埋め立てのために搬入される土砂は主に西日本から持ち出される予定ですが、採取予定地域の7割も「重要海域」で、双方の環境汚染と、違う気候帯からの外来種持ち込みの危険性が懸念されています。ここまでして軍事空港を作る必要があるのでしょうか。

 日米安全保障条約6条基地の許与の極東条項では「日本国の安全に寄与し、ならびに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍、及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」とあり、極東は「大体において、フィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域」と考えられることから、湾岸戦争やイラク戦争は極東条項に違反していると言います。憲法第9条を背景とした専守防衛規範は、自衛隊だけではなく、在日米軍にも適用されるべきで、専守防衛を超えた攻撃任務を与えてはならないという規範を適用すべきだと言います。この極東条項を厳密に適用すれば在日米軍は1万人以下に縮小できると試算されています。

 冷戦終結に向かえば、そもそもこれだけの規模で米軍が北東アジアに固定配備される理由がなくなり、また自衛隊の存在意義もなくなっていくとのことです。自衛隊発足の契機は1950年の朝鮮戦争の警察予備隊で、1954年の自衛隊発足時の説明に「自衛のための必要最小限度の実力組織」とあるのですから。

 今年の2つの宣言を生かし朝鮮戦争を早く終わらせ、北東アジア非核兵器地帯条約を作ることをセットにした包括的な平和構想が作れれば、外交に基づいて、相互に『共通の安全保障』を求めあう形での生存が可能になると言います。

 次の世代に平和な世界を築いていくために、私たちは声を上げていく必要があります。