介護保険の改定―介護の社会化の後退にNO!の声を

9月15日、市民福祉情報オフィス・ハスカップ代表の小竹雅子さんの、「どうなる介護保険」と題する学習会に参加しました。    2000年にスタートした介護保険は、3年毎に介護報酬の見直し、5年毎に制度の改定が行われてきました。現在は来年の改定に向けて、動いています。今年4月には、財務省の財政制度等審議会が①介護の軽度者(要介護1,2の認定者)の地域支援事業への移行や、生活援助サービスを対象とした支援限度額の設定または利用者負担割合の引き上げ、②利用者負担の原則2割とすることやその対象範囲を拡大するなど、段階的引き上げ、③ケアマネジメントの利用者負担の導入という意見を出しています。

政府は9月20日に「全世代型社会保障検討会議」を開き、「すべての世代が安心できる社会保障制度」のあり方を議論し、年度末までに中間報告を、来年夏までに最終報告を取りまとめる方針です。今回の介護保険改正の重要なテーマは、持続可能な制度の再構築・介護現場の革新、つまり給付と負担のバランスです。

この8月29日に開かれた「社会保障審議会介護保険部会」では介護保険が始まって19年、サービス利用者は制度創設時の3倍を超え、介護費用の総額も約3倍の11.7兆円になったこと、介護保険料の全国平均は6,000円弱となり2040年には9,000円になることが見込まれる状況、こうした中で保険料、公費及び利用者負担の適切な組み合わせにより制度の持続可能性を高めていくことが重要な検討事項だとしています。具体的には

①40歳未満の人も被保険者に、障がい者を受給者に組み込む

②施設入居の補足給付(食費と居住費の補助)は預貯金額が単身1000万円、夫婦世帯で2000万円ある場合は対象外だが、更に不動産もチェックする

③多床室(相部屋)の室料負担(現在は水道、光熱費のみ負担)

④ケアプランの有料化(利用を控える懸念)

⑤要介護1,2の人を介護保険から外す(地域支援事業に)

⑥高額介護サービス費を見直し自己負担を増やす

⑦「現役並み所得」や「一定以上所得」の判断基準を見直し収入の低い人も2割、3割負担に

このような項目が上がっています。

そもそも介護保険は利用する人の「自己決定、自己選択」の制度で、応益負担(所得にかかわらず1割の利用者負担)の制度です。また介護保険は、要支援・要介護認定を受けた人に「サービスを利用する権利があると」説明されていました。病気や障害のある人の生活を支えるための介護保険です。保険料を払っているのに、使いたい時に使えない制度にしては意味がありません。

制度の改定に向かう今こそ声を上げて、要介護1、2外しにNO!と声を上げていかなければなりません。政府は世論の動向を見ていると小竹さんは言います。強い反対があるかどうかで政府は動くのです。消費税増税直後に要介護1,2を外す、自己負担を増やすことはおかしいと声を挙げましょう。財源が厳しいと言われますが、社会保障給付費に占める介護保険の割合は2016年度で8%です。医療費は33%、後期高齢者の薬漬けこそ、考える問題です。

法案審議は来年4月ですが、今年11月ころには政府方針を決定すると言われています。時間がありません。今声を届ける必要があります。介護の社会化が後退しないように、生活支援のサービスが減らされることがないように改定への動きをより多くの人に知ってもらい、署名活動などのアクションを進めていきます。