ごみ処理の現場から②ー昭和電工プラスチックリサイクル

  浮島処理センター資源化処理施設で塊(ベール)になった容器包装プラスチックは、容器包装リサイクル協会での入札により、今年度は、昭和電工(株)とJFEプラリソース(株)に委託され、処理されています。そこで臨海部(扇島)にある昭和電工(株)川崎事業所を見学してきました。ここは、使用済み容器包装プラスチックを、熱分解して分子レベルに戻して、化学原料などに再生するケミカルリサイクルの中のガス化という手法を取っています。

ベール化された使用済み容器包装プラスチックは、破砕機に投入され、ここでもう一度金属選別機で異物が取り除かれ、成型機で成形プラという小さな固まりに加工されます。この成形プラから、低温と高温の二つのガス化炉によって水素と一酸化炭素を主体とする合成ガスが作られます。更にこの合成ガスを精製してアンモニアと炭酸にします。アンモニアは外用薬(虫刺され)や肥料、アクリルやナイロンの繊維の原料に利用され、炭酸は飲料やドライアイスに生まれ変わります。このアンモニア製造プロセスは環境負荷が少ないということで、製造プロセスとして世界初のエコマーク認証を受けました。このガス化の優れているところは、素材を選ばず様々なプラスチックを分子化することで、新品と同じ品質のものにでき、処理の過程で出る金属やスラグなどの異物も含め、ほぼ全量リサイクルできることです。プラスチックのケミカルリサイクル施設として国内最大規模のこの事業所は、神奈川県の多くの自治体の容器包装プラスチックを処理しており、資源循環型の社会に貢献しています。

2017年に国内で回収されたプラスチックは903万t。内材料(マテリアル)リサイクルは211t、焼却時の熱を利用するサーマルリサイクルが524万t、燃やさず熱分解し化学的に処理するケミカルリサイクルが40万t、熱回収しない焼却、埋め立てが128万tです。一人当たりのプラスチックごみ排出量は、日本は米国に次いで世界2位です。海に流出し、環境汚染を引き起こすプラスチックごみの削減は、世界的な課題です。プラスチックのない生活はもはや考えられませんが、リサイクル率の向上と共に、市民も製造者も事業者もプラスチックごみの削減に取り組むことが急務です。