「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」可決

12月12日、川崎市議会において「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」の議案が全会一致で可決されました。(継続審議を求める2議員は、採決に加わらず、退出しました。)私は、この条例に賛成しました。

長年ヘイトスピーチの被害を受け、抗議の声を上げて活動してきたハルモニはじめ当事者の方々、そして理不尽な差別を許してはならないと一緒に運動していた市民が傍聴席で見守る中、皆が心から待ち望んでいた条例制定となりました。

川崎は多文化共生のまちとして、多様性を尊重するまちづくりに取り組んできました。

しかし、2013年頃から在日韓国人に向けたヘイトスピーチが繰り返し行われるようになり、2016年には在日の方が多く住む川崎区桜本に向けたヘイトデモが活発になりました。差別を許してはならないと多くの市民も立ち上がり、抗議活動でデモ行進を防ぐことが続きました。国の「ヘイトスピーチ解消法」が成立しても、なおヘイトスピーチを繰り返す団体の横行は続き、公共施設利用のガイドラインを作ったにもかかわらず、学習会と称して公共施設を使用したり、街宣を繰り返したりしてきました。このような状況の中、ヘイトスピーチ対策を求める市民の声も大きくなり、18,234通ものパブリックコメントを経て、今議会に条例案が提案されました。

身の危険を感じるほどの深刻な被害を受けてきた当事者の方々の、差別のない社会を求める思いを、市民がしっかり受けとめて共に活動してきたことが、この条例制定に向けての大きな力となりました。

引き続き、付帯意見が提案され賛成多数となり可決されましたが、私は賛同しませんでした。この条例は、そもそもヘイトスピーチに対し実効性のある条例をということで作られたものですから、「本邦外出身者以外の市民(つまり日本人)に対しても、不当な差別的言動による著しい人権侵害が認められる場合には、必要な施策、措置を検討する」という付帯決議はそれにあたる立法事実はなく、付ける必要がないと判断したことがその理由です。

市は、条例の拡大解釈を防ぐためのガイドラインを今年度中に作成する方針で、来年7月に全面施行の予定です。

条例ができた今、この条例の趣旨を広く市民に伝え、ヘイトスピーチを許すことなく差別のない社会にしていくために努力をしていかなくてはなりません。川崎市の条例運用が、他の自治体での差別のない社会に向けた動きにも大きな影響を与えます。地域の中で、多様性を認め合い、お互いを尊重し、誰もが自分らしく暮らせる社会にしていくために、これからも取り組んでいきます。