2020.9 決算審査特別委員会(文教分科会)から 児童福祉施設等退所後の支援

全国の高等教育機関への進学率は8割を超えていますが、川崎市の児童養護施設や里親家庭で代替養育を受ける児童の進学率はここ2年、4割台とまだまだ低いのが現状です。2018年のアンケート調査によると、児童養護施設などで生活する高校生は、自分たちへの支援として、金銭面での援助をしてほしいという回答が多く、半数以上が自立や進学に向けてアルバイトをしています。社会的養育がどのようになっていくことが今後の児童の最善の利益のためになるかという養育里親さんへの問いには、経済的に大学進学をあきらめたり、やりたいことを断念したりすることがないようにしてほしい、経済的支援や進路について多様な選択があることを知ってもらう施策を行ってほしいという意見がありました。意欲のある児童が希望する進路を選択できる経済的な支援は必要です。

進路については進学先や就職先が決まっている、自分のやりたいこと、得意とすること、苦手なことなどを考えた上で進路の方向性を考えられていると回答する児童がいる一方で、やりたいことや自分ができることについての明確なイメージを持てない、現在生活することに一生懸命で、将来のことは考えられないという児童もいます。

進学を支える社会的養護奨学給付金制度(国公立大月額3万円、私立大学月額5万円)が川崎市にはあり、2019年には15名が給付を受けています。この奨学金を活用して進学を選択できるということが徐々に浸透してきているとのことでした。

就職を希望する児童には親代わりである施設職員や里親と共に自立支援コーディネーターが中心となり、児童の希望や適性を丁寧に見極め職場見学や就労体験の機会を設け、できる限り本人の希望と現実のミスマッチを防ぎ、就職に対する意欲の醸成を図るなど、一人ひとりにあった支援をしているとのことでした。就職先での勤務の継続に向けても、メールや電話、面談等で就労状況の把握や、生活の困りごとを受け止めるなど、定期的なフォローで定着に向けた支援をしています。

しかしこのコロナ禍で、アルバイトができなくなったり、収入が減少したり、職を失うことも考えられます。就職に向けた支援では、職場の見学や体験なども制限されることもあります。一人ひとりに寄り添った支援が今まで以上に求められています。不安を解消し、安心して生活できるように、相談されるのを待つのではなく、きめ細やかな情報提供や相談支援を要望しました。