働きたいを応援する―就労準備支援事業を通してのまちづくり

10月8日、生活困窮者自立支援プロジェクトの学習会に参加しました。「地域共生社会をめざして―困窮者の就労準備支援事業を通して座間市のまちづくりへ挑戦」というテーマで、講師はワーカーズ・コレクティブ協会副理事長、「はたらっく・ざま」代表の岡田百合子さん。

ワーカーズ・コレクティブ協会では、ワーカーズ運動の女性中心の働くニーズが障がいがある人、若者、困窮する人たちのニーズに広がり、就労支援だけでなく、生活支援もセットにして働きたいを応援してきました。そうした中、生活困窮者自立支援制度の動きに連動した形で自治体から、就労準備支援事業を生活クラブとの共同企業体で受託しています。2015年から横浜市、2017年からは座間市、2018年には湯河原町に受託が広がっています。

 

はたらっく・ざま

座間市ではひきこもりの若者の利用が多く、利用したい人は断ることなくだれにでも対応し、長いひきこもりで自信がない人の自信回復のきっかけを作り、本人の気持ちに寄り添い支援しています。利用者のニーズに応える形で、身近かな場所での実習協力事業所を広げたり、漢字をマスターする特別講座や、食事をしてこない人へ食堂の開催、季節感、生活感がないことから、クリスマス会などの行事に親しむ講座を開いたり、短時間ワークから就労した利用者には修了式を開きお祝いをしています。利用者はこれまで3年間で37人、実習先が広がり、地域の事業所に理解と共感を得ることができています。12人が就労し、短時間ワークで働き始めました。地域の人たちからの応援を受け、利用者には意欲が芽生え、社会に出ることへの恐怖感が弱まってきています。

この三年でひきこもりの若者から、大人の利用者も増えてきていて、「はたらっく・ざま」の支援だけでは限界があり、地域の人たちの見守りや人との関係づくりが必要と、今年からはサポーターを設け、居場所サロンも開始しました。メンタルの自己管理を学ぶ研修会や、七夕飾り、小銭入れづくりなど、学びや、体験、お茶のみの場として参加できる場所を広げています。

予算1000万円の小さな事業ではあるけれど、 地域にあった、自治体の職員ではできない市民参加事業で、大勢の人たちとの連携で利用者ファーストで支援し、まちづくりをしていると話されました。

 

はたらっく・ゆがわら

座間市の取り組みから、湯河原町を中心とした足柄下郡の就労準備支援事業に展開しています。しかし同じ就労準備支援事業でも地域により利用者が異なり、支援プログラムは地域の状況に合わせて開発していく必要があります。湯河原町は人口の39%が高齢者、生保受給者は28%(2018年度)、温泉町で唯一の働き場である旅館関係で働く人が多く、高齢で働けなくなると街中のアパートで生活保護を受けて暮らす人が多いと言います。利用者は年齢が高く生活訓練を受けたがらず話を聞いてほしい人が多く、支援は面談、相談が中心で、ひきこもらないよう通ってきてもらうことを目標にしていて、就労には程遠い状況です。そこで初めから居場所サロンを用意しました。就労より居場所が必要な高齢利用者には期限付きの支援は限界です。今年4月からは居宅生活総合支援事業の受託を受けて、無料定額宿泊所の利用者で、アパート暮らしが可能な利用者を支援付きで自立させる事業を行っています。

地域で暮らし続けるためのサポート体制が必要なのに、ここは県の事業で町役場との連携や協力関係の構築が困難で、困窮者自立支援相談窓口も県社協、事務所は小田原保健福祉事務所という状況です。地域の事業所の開拓や、県社協との連携も課題だと話されました。

コロナ禍で、座間では小規模な事業所の廃業で失業者や困窮相談が増えており、利用者の就労先の確保も困難になってきています。利用者のメンタル面も不安定になっています。湯河原町では仕事がなくなり住む家がなくなる人たちへのアパート探しや、引っ越しサポート、生活支援が必要になっています。

人間が人間らしく生きる支援が必要で、地域をよくしていくためには市民が参加しなければよくできない、市民のネットワークがあることで、丁寧な支援活動ができると話されました。地域の様々な資源と連携した支援づくりが必要です。これから各自治体の取り組み状況を調査し、課題を探り提案へとつなげていきま