「再生エネルギーと民主主義」-デンマークからの報告

NPO法人原発ゼロ市民共同かわさき発電所主催のZoom講座「再エネと民主主義」-デンマークからの報告-に参加しました。講師は自然エネルギー大国、デンマーク・ロラン島に暮らすニールセン北村朋子さん。

デンマークは、オイルショック当時、狭い国土に15ヶ所もの原子力発電を計画しました。しかし、国民的な議論がまき起こり、1979年のスリーマイル島の原発事故を経て、1985年に政府は原発に依存しないエネルギー計画を採択、地域にある風力を利用することにシフトしました。2012年にはロードマップを策定、2020年までに全電力消費量の50%を風力発電に、2030年までに石炭火力全廃、石油ボイラーも段階的に廃止、2035年には電力、熱供給を再生可能エネルギーで賄い、2050年までに電力、熱、産業、輸送全てを再生エネルギーで賄うこととしました。デンマークでは政権交代があっても、常に複数政党が連立を組んで政権を担っていく体制なので、政党間で合意が取れており、長期に計画は受け継がれていくのだそうです。2020年6月には新気候変動適応法を議会で可決、2030年までにCo₂排出量を70%削減することを明記、気候評議会が毎年専門的な評価を行い、気候大臣は毎年9月に気候変動プログラムを発表するなど、実行のための行動計画が示されました。

2018年のエネルギー自給率はデンマーク75%、日本は11.8%(原子力発電を含む)です。ニールセン北村さんは再生エネルギーへの転換は、「できるかできないかではなく、やるかやらないかだ」と話されました。

首都コペンハーゲンと地方ロラン島のサスティナブルなエネルギー協定が結ばれ、ロラン島では自分たちが使う8倍以上の電力を生産し、新しい産業として再生エネルギーが定着しています。自分の畑で風力発電をして、エネルギーも食料も収穫し、またわらも燃料として使い熱を回収しています。

そして驚いたことに、2030年までにCo₂を70%削減するために、政府主導で、「食いしん坊のための気候変動適応ヒント」として、お肉を食べるのを減らそう、畑でとれるものを食べ、牛、豚、羊の消費を減らしていこうと訴えています。魚かチキンを食べ、野菜スープを見直し、野菜でステーキ、貝類で旨味を加える、ひき肉に野菜を混ぜ込む(日本では玉ねぎなど混ぜ込みますが、デンマークではお肉のみで食べるのが普通だそうです)などの工夫を進めています。デンマークは豚肉の輸出が多く、養豚は大きな産業であるにもかかわらずです。地球が存続できるかどうかを考えた時、肉から野菜をベースにした生産者に生まれ変わってくことを選ぶというのです。気候変動による危機感が共有されていればこそ、産業をも変えていくことが選択されるのです。

デンマークでは常日頃から意見が違うのは当たり前で、対話をとても重視していると言います。これは幼稚園から、今日は何をするかという話し合いをして一日の過ごし方を決めていく所から始まっているとのこと。様々な考え方について議論して、最善の妥協点を探し決定していく、考え、トライし、育てて手直し、またトライし続ける、こういう民主主義の考え方が根付いていると話されました。

私たちは、日本をどういう国にしていきたいのか、たった一つの地球を守るためにどんな選択をしていくのか、持続可能な未来が作れるかどうかは、私たちの今の取り組みにかかっています。

まずは、気候変動の危機を知らせていくこと、そして今取り組みを始めなければ取り返しがつかないことを伝えていく必要があります。