気候危機は待ったなし―これからの10年の取り組みが世界を変える

気候ネットワークの平田仁子さんによる「気候危機へ求められる私たちの行動」という学習会に参加しました。毎年、異常気象が頻発しています。大雨、洪水、猛暑、森林火災、これらは地球が、確実に、スピードを上げて温暖化していることが影響しています。今年の夏の猛暑も思い起こされます。地球の平均気温は、工業化前に比べ、1℃上がりました。この気候がもたらす災害と紛争によって、人の移動が拡大し不安定な世界情勢が引き起こされています。

気温が1.5℃上がるとサンゴの絶滅や農産物、熱中症、様々なリスクが高まりますが、今のままで行くと3℃以上の気温上昇が起こると言われています。5年前のパリ協定では気温上昇を2℃未満に抑制、さらに1.5℃に抑制へ努力すること、今世紀後半に世界全体の温室効果ガス排出をネットゼロにとしました。しかし、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は早ければ2030年にも1.5℃上昇に到達するとし、2050年に世界全体のCO₂排出をネットゼロにしなければならないとし、UNEP(国際連合環境計画)は1.5℃の目標達成には今より5倍の努力が必要だとしました。

この10年のコロナ禍からの社会の立て直し、環境と調和した経済復興「グリーン・リカバリー」が決定的に重要で、チャンスは後10年しかありません。アントニオ・グテレス国連事務総長は、1.5℃を目指して各国の行動の引き上げを要請しています。2020年までに新規の石炭火力発電を中止、2030年までにCO₂を45%削減、2050年にはCO₂排出実質ゼロとして、エネルギー転換を目指すことを呼びかけています。

しかし、日本は現行の削減水準は全く不十分で、最大のCO₂排出源である発電部門の2030年の電源構成は原発(20~22%)・石炭火力(26%)に依存する方針で、多数の石炭火力発電所が現在も建設され、運転している状況です。

エネルギーには「化石燃料」や「原発」が欠かせないという発想は転換して、「自然エネルギー100%の未来は作れる」ことに着目する必要があります。ドイツやデンマークでは100%再エネだけで電気を供給できる日もあることを紹介されました。イギリスでは、コロナ禍ではありますが、今年2か月間も石炭火力なしで電気を賄うことができているそうです。

再生可能エネルギーは急速にコストが低下し、太陽光発電は8割、陸上風力発電は4割も以前より安く生産できるようになりました。 政府も脱炭素社会を踏まえ、エネルギー基本計画の見直しをスタートさせました。多くの地方自治体も2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを表明しています。川崎市でも脱炭素戦略「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」を取りまとめているところです。

菅首相は所信表明で、2050カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しました。しかし、原子力政策を進めるとしたことは、ふるさとを失い今も避難している人々や、増え続ける汚染水など福島の状況を考えれば、到底容認することはできません。CO₂の大幅削減が難しいことから、革新的な技術開発・イノベーションでの削減(カーボンリサイクル、CO₂の回収貯留など)を目指すことを考えていますが、これも実現可能かどうかが非常に不確かで、今できることをしていかないと脱炭素社会の実現は危ういのは明らかです。脱炭素と経済成長の両立を図る成長戦略には、産業構造の転換が不可欠です。それには予算や投資、雇用対策が必要になってきます。

 気候変動の危機を共有し、地域のリスクと関連付け、そして明確なビジョンと目標を示し、行動することが求められています。横須賀市では、石炭火力発電所の建設が進められていますが、もう火力発電の時代ではありません。

 この10年の行動が私たちそして子どもたちの未来を変えてしまいます。危機を傍観することなく、国・自治体・市民一人ひとりが考え、行動し、未来を形にしていかねばなりません。気候変動を防ぐために地域から提案をしていきます。