コロナ禍で何が起きているのかー必要な支援を考える

「新型コロナで住まいを失う怖れのある者の現状と背景について~新型コロナ禍で何が起きているのか?~」という学習会に参加しました。講師は一般社団法人インクルージョンネットかながわ代表理事、寿支援者交流会事務局長の高沢幸男さん。

2020年4月7日の緊急事態宣言後、失業から減収に要件が緩和された住居確保給付金の申請が急増しました。4月から3か月の申請数が川崎市では昨年1年間(190件)の10倍以上にもなりました。家賃の支払いに不安を覚えた人がこれだけいたのです。アベノミクスやオリンピックで好景気だったのではと思われがちですが、2019年の年収の中央値(437万円)はリーマンショック時(438万円)より低く、年収300万円以下の層はずっと3割以上を占めています。平均所得は上昇しているので、格差が広がっただけとされました。生活保護費は2013年以降減額が続き、困窮者はより困窮し、ここでも格差が広がっています。コロナは引き金でしかなく、生活に余力のない、つまり貯金がなく何かあればすぐ生活に困る人たちが顕在化したと話されました。

非正規雇用は、若者・高齢者・女性に多く、2019年は38.3%、これはグローバリゼーションで海外に安い労働力と原材料を求めたことから起きた構造的なもので、正規労働の雇用のパイが減少しているからです。努力が足りないからという自己責任論にしてはいけません。

野宿生活者の全国調査では、野宿に至った理由として、仕事関連(倒産、失業、仕事の減少、病気やけがで仕事ができなくなったなど)が7~8割を占めています。以前最も長く就いた仕事は正社員や自営などの安定した職についていた人が7割、直前の職が正社員だった人が4割です。長期にわたって不安定な日雇いなどの仕事をしていた人は3割に過ぎません。中高年の男性が多く就労と高齢者福祉の制度の谷間の世代が野宿しており、ここにも構造的な問題が見て取れます。国内に仕事がなく、安定していた正社員も解雇される。仕事を探しても次の働き口が見つからないと、たちまち家まで失う貧困に陥ります。コロナ禍の今は内定取り消しや、業務縮小による派遣切りが行われ、圧倒的非正規雇用の飲食業は雇用が回復せず、状況はさらに厳しくなっています。またオリンピック・リバウンドで公共事業は減少し、民間の投資も行われず結果、景気が冷え込みます。今はコンビニや牛丼屋のアルバイトにも多能化が求められ、単にやる気だけでは雇われ続けられません。誰もが当事者になり得るのです。

貧困化、高齢化、単身化は社会的課題です。ステイホームといっても、家族関係が悪い人や住環境が整っていない人はとても家にいられません。困っている人、抑圧されている人はなかなか声をあげられません。今まで辛かったね、よく頑張ったね、だから一歩踏み出せますよと自尊感情をあげていくのがソーシャルワークで、この地道なワークが増えていくこと、連携が重要だと話されました。困った人が相談できる居場所があり、そこに来た人を支えて専門的支援につないでいく、必要な人に支援が届くことが何より重要です。