再生可能エネルギー100%の未来をつくる~2030年に自然エネルギー45%以上の目標が必要

4月17日、生活クラブ生協神奈川のオンライン学習会「再生可能エネルギー100%の未来をつくる」に参加しました。基調講演は、公益財団法人自然エネルギー財団事務局長の大林ミカさん。

世界の太陽光発電は拡大しておりコストはこの10年で9割も低下している。風力発電も日本では政策もあり増えていないが世界では拡大していて、洋上風力という新しい技術で市場が拡大している。風力発電のコストは以前から競争力を持つ電源であったが、この10年で更に4割減。コストで比較するとすでに原発や石炭の方が高い。世界では自然エネルギーが拡大しているが、日本は依然として石炭火力に頼っている。気候危機を回避するためIPCC(気候変動に関する政府間パネル)では2030年度には48~60%を自然エネルギーに転換することを想定している。アメリカでも2020年、自然エネルギーがそれぞれ原子力と石炭からの発電量を追い越した。また投資家の脱炭素志向も鮮明になってきている。今求められているのは再生エネルギーへの転換、これこそが温室効果ガスの排出を削減できる。日本のエネルギー転換の状況は2020年に22%、すでに政府の2030年の目標を達成している。このままの政策でも2030年には30%にはなる。しかし、気候危機を回避するためには2030年での明確な転換が必要で、自然エネルギー45%以上が必要だと指摘されました。

また、太陽光発電は2020年代中頃以降、蓄電池込みでも電灯料金単価以下になり、本格的な普及の可能性があるが、既存の石炭火力と競合するためにはカーボンプライシングが導入されることが鍵を握るとのことでした。

続いて都留文科大学の高橋博先生から、系統制約の解消(再エネ事業者が送配電網を公正に利用できるように)、立地制約の解消(地域や景観との調和を図りつつ、農地・林地を合理的に再エネに開放)、市場制約の解消(再エネ関連(小売り)事業者が公正に競争できるように)について内閣府タスクフォースの提案事項を含めて話を聞きました。(先生は河野行政改革担当大臣主催の「再生可能エネルギーに関する規制等の総点検タスクフォース」委員)

名古屋大学の丸山康司先生からは、「再生可能エネルギーを広げるための社会的受容性」として、地域で導入への懸念が増えつつある状況、気候変動を回避するためとの社会全体の利益を強調するだけでは「迷惑施設」扱いされ続けること、実際に秋田県にかほ市で風力発電を進めた際のゾーニング、意見収集と計画への反映などについて話を伺いました。再エネ導入が地域で新たな分断を生まないこと。立地地域が豊かになり地域と共存できることが必要だと話されました。

飯館電力副社長の千葉訓道さんからは、震災前まで福島県は電力供給量日本一で、県内総発電量の9割は首都圏に供給していたこと、首都圏には設置できないリスクのある原発を背負い、挙句の果て原発事故の被害も全て背負ったこと、除染作業の現実(村の80%を占める森林は未除染のまま)、いくら施設を整備しても若者が返ってこないことなどを伺いました。

自然エネルギー事業は社会的企業にもなりうる。二度と原発を稼働させてはならないという強い思いと、安全なエネルギーを自分たちで作り、村の再生に寄与することから自然エネルギーを活用した飯館電力を立ち上げ、脱原発からカーボンニュートラルにという話を伺いました。

2011年から10年が経ちましたが、廃炉の道筋も立っていません。政府は増え続ける福島第一原発のトリチウムの入った汚染水を海洋放出すると決定しました。しかし薄めればいいというものではありません。AⅬPSで除去されなかったトリチウム以外の放射性物質の懸念も残ります。原発は壊滅的なダメージをもたらしています。世界では福島原発事故を契機に原発をやめ再生エネルギーに転換する動きが広がっています。

2030年までもう時間がありません。安心安全に暮らしていくために、子どもたちに未来を残すために、私たちは危険な原発はやめて、再生エネルギーへの転換を進めていきます。