外国につながる子どもたちへの支援を

川崎市桜本にある「川崎市ふれあい館」で、外国につながる子どもたちを支援している黄浩貞(ふぁん ほじょん)さんに子どもたちの現状と地域から見える課題を伺いました。

ふれあい館では、外国につながる子どもの学習サポート事業を行っています。小学生には寺子屋分教室2つとふれあい館で週1回2時間の教室、中学生にはふれあい館での週2回×2時間の教室、学齢を超過した(母国で9年間の教育課程を修了した)子どもには多文化フリースクールを週3日(10時~16時)、高校生には多文化教育コーディネーター(週1回2時間と先輩交流会等企画)、高校生・若者には日本語能力試験に向けた日本語教室(週1回2時間)とキャリア支援相談会を開催しています。ハロハロクラブ(ハロハロはフィリピン語で混ぜこぜの意味)と言って日本人も含めていろんなルーツの子どもが一緒に楽しく過ごすクラブや、乳幼児が増えてきたことから、ママたちが孤立しないように子育てサロン、識字学級も開いています。

昨年来の新型コロナ感染症の拡大は、子どもたちの生活に大きな影響を与えています。感染が怖くて学習教室への参加回数を減らしたり、全く来なくなったりで、子どもの参加数は半減したと言います。そのなかでも通ってくる子どもの中には、勉強についていけなくて、切羽詰まっている状態もあるようです。ずっと家にいてせっかく覚えた日本語を忘れることもあります。これまでなら中国から祖父母が子育ての手伝いに短期の観光ビザで来ていましたが、コロナ禍で来られなくなり、保育園や幼稚園の申請を手伝ってほしいという要請も増えました。

家族滞在の在留資格の場合、週28時間までの就労制限があるため、なかなか子どもを保育園に入れられず、未就園で集団生活を経験することのないまま小学校入学ということもあるそうです。年の離れた兄弟の面倒を見るために学習教室を休むヤングケアラーの問題も増えています。また保護者の収入が減ったため、大学進学が厳しくなったり、アルバイトで親を助けるために定時制を選ぶという事態も生じています。

最近の傾向として、呼び寄せられる子どもは低年齢化し、小学校入学前の子どもが増えています。また親自身が呼び寄せられた人で、日本生まれの外国ルーツの子どもが増えてきています。留学生同士の結婚も多いと言います。小学生教室の広がりはそのためです。

しかし、母語と日本語の両立は難しく、どちらも不十分だと子どもの将来に大きな影響があります。そのためにはライフステージに合わせた支援が必要です。保育園や幼稚園入園、小学校入学、中学校入学、高校受験、卒業、就職、学校からドロップアウトした時のサポートも必要です。高校や大学卒業時に内定をもらえば、特定活動か永住ビザが取れますがこれをとるのがとても難しいと話されました。家族滞在の資格では定職に就くことができません。大人になっても自立ができず、家から離れられません。在留資格は大きな問題です。

子どもの教育を支えるためには保護者の支援は欠かせません。経済基盤が弱く子どもの教育に集中できないことが多いのですが、コロナ禍で今はさらに厳しい状況です。地域の中でつながれる場所、学校以外で学べる場所、気軽に相談できる場所が必要です。イスラム教やヒンズー教などの宗教的な配慮も必要です。また、日本語が分かるのと文化を理解するのは別です。言葉の支援だけではなく地域で共に生きていくための支援が必要です。

現在は国際交流センター・市民文化局・教育委員会と分かれていますが、外国につながる家庭の子育て・教育・福祉・労働などすべてを総合的に支援できる窓口を置くことが望まれます。外国につながる子どもたちが未来を切り拓いていけるような支援を提案します。