コロナ禍におけるがん治療への影響は?

新型コロナウイルスの感染拡大は、病院での診察に大きな影響を及ぼしています。2020年度の入院患者は、直営の川崎病院と井田病院では延247,768人で前年度に比べ40,606人の減、多摩病院では延85,797人で、前年度に比べ、28,408人の減となりました。外来患者は直営2病院では延408,818人で、前年度に比べ64,903人の減、多摩病院では延186,755人、前年度に比べて28,728人減となりました。

川崎病院では新型コロナ感染症の「神奈川モデル」の高度医療機関及び重点医療機関として、井田病院と多摩病院では重点医療機関として、多くの新型コロナウイルス感染症患者を受け入れて治療しています。

新型コロナウイルスの感染拡大は、様々な診療科に影響を及ぼしていますが、決算分科会(病院局)では、がんの治療について聞きました。川崎病院は神奈川県がん診療連携指定病院で、井田病院は地域がん診療連携拠点病院で、がんの治療に力を注いでいます。

三病院それぞれの2019年度、2020年度のがん手術件数は表の通りです。

病院 2019年度 2020年度 増減
川崎病院 1041件 1091件 +50件(+4.5%)
井田病院 573件 469件 △104件(△18%)
多摩病院 398件 372件 △26件(△)6.5%)

 

新型コロナウイルス感染症拡大により、2020年4月以降に医学関連の各学界から緊急性の低い手術は延期するように提言があり、短期間の抑止は行ったものの、がん患者に対しては十分な感染予防をしたうえで延期せず手術を行ったとのことでした。しかし、井田病院ではクラスターが発生したこともあり、104件も減少しています。それをカバーする分川崎病院では、増えたのかもしれません。

コロナ禍で受診を控えたことで、がんが進行した状況で見つかるケースが増えたのかなどの影響については、現段階(9月24日)では把握は困難とのことでした。しかし、9月22日の新聞報道では、横浜市立大学の研究チームが新型コロナウイルスの感染が拡大した昨年3月以降、早期の胃がんや大腸がんの診断数が3割減少したという調査結果を出していました。大腸がんでは進行してから診断された事例が増え、これは新型コロナの影響で、医療機関の受診を控えた人が多かったためと分析しているということでした。

やはり、コロナ禍においても、受診控えをすることなく診察、治療を受けることが大切だと発信していく必要があります。受診延期を申し出た患者に対しては、主治医から適切な指導を行っている、また受診控えの危険性については広報誌や市民公開講座などを活用して、周知に取り組んでいくとの回答がありました。