HPVワクチンの積極勧奨がスタート~メリットとデメリットを確認して接種の判断を

HPVワクチンは、2013年4月に予防接種法に基づく定期接種になりましたが、身体の疼痛・知覚認知機能障害・運動神経障害などの重篤な副反応で、わずか2ヶ月で中止となり、積極的勧奨を見合わせていました。しかし厚生労働省は昨年秋の専門部会の評価を経て、積極的な勧奨差し控えを終了することを通知、4月から積極勧奨へと舵を切りました。

川崎市は、この間の中止の経緯をホームページで知らせることなく、2020年には対象年齢が終了する高校1年生の女子に、2021年にはすべての対象年齢の女子(小学6年生~高校1年生)に制度の案内、情報提供として個別通知を行いました。

その結果、総接種件数は2018年度には209件、2019年度には476件でしたが、2020年度は12月末で6,725件に増え、うち入院を要さない副反応疑い報告が1件あったとのことです。

ワクチンにはメリットとデメリットはつきものです。保護者や当事者が接種するか否か、選択できる判断材料をより多く提供することが自治体の責務です。

また、HPVワクチンを接種しても100%子宮頸がんを防げるわけではありませんから、接種の有無にかかわらず、20歳になったら子宮頸がん検診を受けることが重要です。接種するかどうかの判断に資する丁寧で適切な情報提供と子宮頚がん検診の重要性の周知を求めました。

川崎市は、「HPVワクチンの接種の検討・判断するためのワクチンの有効性・安全性に関する情報や、接種を希望した場合の円滑な接種のために必要な情報に加えて、子宮頸がん検診の重要性について、ホームページ等を活用し、周知に努めてまいりたい」と答えました。

学校での対応について

対象年齢の中学生や高校生になると生徒が主体的に自分で情報を得て考えることもあり、自分で納得して判断をしたいと考えるのは当然です。そのようなときに身近にいる養護教諭の存在は大きいと考えます。養護教諭に相談があった時に、中立な立場で適切に対応できるようにワクチンや相談機関等についての情報の周知を求めました。あわせて、接種後の健康被害などの相談や学校生活への配慮ついても適切に対応することを確認しました。

 

キャッチアップ接種について

積極的勧奨が差し控えられていたことにより、接種の機会を逃した方への救済措置です。HPVワクチンはその対象年齢から分かるように性的接触がない年齢の方に接種しています。すでに感染した方への接種の効果について確認しました。産婦人科学会のガイドラインでは、「ワクチンは既感染者に対する治療効果はなく、子宮頚部病変を治癒させるものではないが、まだ感染していないウイルス型の将来の感染を予防することはできる点で接種する価値があるため、希望があれば接種してよい」とされています。接種によって病変が悪化したり、がん化を促進したりすることはなく、副反応が増強することもないと言われているということでした。

 

予診票の保護者同意書欄には・・・

「予防接種の効果や目的、重篤な副反応の可能性、予防接種健康被害救済制度などについて理解した上で、接種を希望します」とあり、署名するようになっています。重篤な副反応と強調しています。ちなみに新型コロナ感染症の予診票では重篤という言葉はなく、「副反応の可能性」とだけ書かれています。

 

HPVワクチンを打つかどうかの判断は非常に重いものです。

接種するかどうかを判断できる適切な情報提供と、ワクチン接種の有無にかかわらず子宮頸がん検診の重要性を周知することを求めました。